【おうちに飾る絵展2024】ふり返り

  • お絵描き雑感

年始最初の展示会でした。

【おうちに飾る絵展】について

ギャラリーの方で年始に行っている展示会で、今年は6回目の開催だそう。
普段の展示会とは違い、販売はオークション形式で、参加者も普段より多め(普段は6~8名くらいだけど、今回は28名!)

私は今回が3回目(=3年目)の参加で、初めて自作品に入札をいただきました……! それも2作品ともに……嬉しい!ありがとう!!
あまり売れる/売れないに一喜一憂するのも俗っぽいかもしれませんが、作品に対する反応としてはこの上なく分かりやすくて信頼できるものの一種でもありまして……ちなみに信用できないのはプロの感想と素人のアドバイス!(※一般論です)

展示作品

1人2点出品というルールがあったので、新作2点です。
実は、1点は過去作でもいいかな……と当初は思っていたのですが、でもやっぱり見るなら新作見たいよね……私なら好きな作家さんのは新作見たい……ということで。

開催ご案内の記事でも軽く紹介しましたが、せっかくなので各作品についてもうちょっと語ってみます。

『恋に落ちたら』

作品概要

真っ白な光の女の子が恋という闇に落ちたその瞬間に鮮やかな彩りが生まれる……的なイメージです。

画面の上方が光、下方が闇にあたるので、上半分は主線を薄めにしたりラメペンで引いてみたり、色も偏光系の顔彩を使ったりしています。偏光色は黒や濃色の紙に塗ると鮮やかに色が出るのですが、今回は白い紙面に塗っているので、光の角度によってほんのり色づいてるのがわかるかな…?程度のものです。それがいいのだ。
反面、下の方は主線もペンで引いたり黒の絵の具もちょっと濃い目に乗せたり。墨なんかもありかな?って思ったのですが、磨り方がわからないのでやめときました。墨汁はものによっては酸化(=紙が傷んでポロポロしたり穴が空いたり)しうると聞きかじったので、ここは安全に絵の具で。色褪せは最悪塗り直せばいいけど、穴が空いちゃどうしようもないからね。

額装はイメージに合わせて、ホログラム調の額縁を選んでみました。
マット台紙は通常の白マットに、表面にキラキラ加工のある黒の特殊紙をカットして重ねています。マットは、本当は製品として同様のものも存在してるはずなんですけど、時間的な制約もあってちょっと見つけられなく……とはいえ、いい感じにできた気はしています。

テーマのこと

以前から、(闇に光が差すのではなく)光に闇を一滴というテーマが自分の中にストックとしてあって、今回はそれを一度形にしてみました。

もちろん白いシャツにカレーの染みを付けるみたいな意味合いではなく、光だけだとそれこそ真っ白で何もなく、闇もあるから色や形が生まれるんだよね的なポジティブな意味合い。
私は圧倒的光属性の人間なので(これを言うと大抵苦笑されますが)、そこからすると「闇」を描くのは変な感じですが、ネガティブな内容は描かないよっていう類のことで、まぁ元よりその辺は何となく感じ取っていただけてると思ってます。

で、光と闇を安易に恋に紐づけるのが私の浅はかさですね! ラブコメとか好きなの……。
よく言う表現の「恋をして世界が輝きだした」とか「鮮やかに色づいた」とか、その辺も含めています。
また、白かったものが色づくって意味だと、少女漫画の名作に『水色時代』ってのがあるんですけど、「真っ白な「子供時代」と青春の「青」の中間の「水色の時」の物語」ってキャッチコピーがずっと心に残っていて、たぶん影響を受けています。
人物(キャラクター)については後述しますが、描写としては表情を微笑んでいるような戸惑っているような、そんな感じに悩みつつも描いてみた感じです。

キャラクターのこと

テーマとしては先述のねらいがありつつ、作品としては(もう1点と比べると)普段の作風の延長にあたるかなと思います。
今回も相変わらず、オリキャラの「マリー」に出演してもらっています。
最初のうちこそ「いや誰もオリキャラなんて興味ないでしょ…」みたいに思っていたのを、最近はちゃんとアピールするようにして、それこそ年末にマンガやイラストの同人誌も出せたしね。お陰さまでマリーの名前を呼んでいただくことも増え、とても嬉しくありがたく思っています。

イラスト本など見ると感じ取ってもらえるかと思いますが、彼女の日常を描くこともあれば、モデル/役者として各種世界観を表現してもらうこともあり、今回は後者の方。
この辺も、最近は自分の中で開き直ることができてきた感じがします……。中途半端に新しくキャラクターを生やすよりも、自分の中に既にいるキャラにお願いした方が魅力的に演じてくれるというか。今回も、テーマが元のキャラクター設定と合っていたのも大きかったかも。ますますキャスティングみたいですね。

ということで、マリー自身が誰かと恋に落ちたとか、そういうのではないのでご安心ください(?)
作者の私自身はラブコメとか興味ありますが、そんなことになったら黙ってないだろう子がいること、マンガ本をご覧になった方は思い当たるかと思います。

キャラクターについてはこちらから

イラスト本。同人イベント、展示会(物販ありの時)にて販売。

マンガ本。同人イベントにて販売。

『お店の中』

作品解説

絵の見えている部分は約5cm四方なので、名刺の短辺くらいの幅。手のひらサイズのミニマム作品です。

チェック模様でアーチ窓なマット台紙を入手したので、それに合わせて制作しました。
マットをお店の壁、窓はそのまま窓として、外からお店の中を覗き込むイメージです。安直ですが。
小さなサイズなので、ここはとことん小さな世界を詰め込んだ方が楽しいかなと思って、珍しくちょこちょこ描き込んでいます。ミニチュアとかドールハウスみたいな感じ。
どちらかというと世界観や雰囲気を楽しんでもらうものなので、キャラクターが主張しないように人物も顔が分からないようにしてみたりしました。
そんな感じで、いつもとは作風が違うかな?

……と言いつつ、ある種原点の作品がこちら。

展示会に出始めの頃、2021年9月制作の『お菓子とオカルト』という作品です(ありがたくも当時お迎えいただきました)
珍しく戸棚とかちょこちょこ描き込んでいて、こういう小物類とか描くのって得意ではないし、この時も訳も分からずとにかく描いてみた感じでしたけど、できあがってみると自分で見てもやっぱり楽しい絵になるなっていうのはあって、また描いてみたい気持ちだけはあったのですよね。

ちなみにですが、イラスト本にもちらっと出てきたキャラクターです。
この子もまた近いうちにどこかで描く機会を設けたいね。

閑話休題、この展示会のテーマは「おうちに飾る絵」です。まぁ実質フリーみたいなものですが。
「飾る」というとインテリア的な印象があり、実際そういう切り口で作品を出品なさる作家さんもいらっしゃいます。
私の場合、殊にこの『お店の中』という作品については、「おうちに飾る」というより「おうちに連れて帰る」「手元に置く」という観点で制作しました。
どういうことかというと、お迎えになった方向けのサプライズを仕込んでおきました!(せこい)

もちろんサプライズなんて一瞬なので、それだけに安くない金額を支払っていただけるとも思っていないし(後押しくらいにはなるかもだけど)、なのでそこが喜ばれるか期待外れかは気にする必要もないのですけど、それはそうとして展示してある状態で(他の情報なしに)「かわいいね」といくつか評価いただけたのは嬉しいというか一安心というか。
小手先でどうこうしようと、最後は本質の部分が大事ですものね。

展示概要

展示会詳細記事

展示風景(ギャラリーのX(Twitter)より)